ichiroさんを中心円にして綴るブログ

Vintage Blue Sky

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Circle Scale/ichiro ☆Special 14☆ 

シリーズ化していた Circle Scale ☆ichiro Special
番外編を含む14本連載後、休止期間を経てシリーズ再び。15回目、シリーズ最終回。
アルバムCircle Scale 全曲レビュー&感想をお届けします。
Circle ScaleCircle Scale
(2011/07/13)
ichiro

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~序章~
ichiroソロ・デビュー20周年の2011年待望のリリース。
91年7月にソロ・デビュー。3枚のアルバムをリリース後、時を経て
止まることなく活動を続けて来たことの証として、20thを機にソロ活動を再開。
アルバム・クレジットの曲タイトルに、敢えて創作時期が明記されています。
過去に創ったもの+近年の作品を織り交ぜたスタイルでセルフ・プロデュース。
カバー・ソング1曲を含む、全11曲。

「風景・景色を想起させる」音楽と、「色をイメージさせる」音楽があるとしたら、
ichiroさんの歌、声、ギター、サウンド、アレンジからは、
感情表現の“色”をイメージすることが多いです。
ichiroさんご自身も、よく「色」という言葉を使い、歌詞にも表現
されていますよね。

基本はトリオで、Bass :小笠原義弘さん Drums:工藤恭彦さん
ゲストミュージシャンは、Key:谷口喜男さん(M-1.6.7.9.10)
パーカッション:Mac清水さん(M-4.7)Gtr:Ryuさん(M-10)

☆★☆ レコーディングには、より原音に近いサウンドが得られる
というアナログ・テープを使用
。☆★☆
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1. Want Your Love So Bad (1991)

オリジナルは、アルバム「My Soul」に収録されていて、
そのセルフカバーが、「Circle Scale」の1曲目となった。
当時は7分弱の長い曲で、地下室のような響きを持っており、
アウトロ~フェード・アウトして行く。
20周年を迎えるアルバムのトップに、なぜこの曲を選び、1曲目に
持って来たのか?という謎が、ライブ2本参加後に解けた。
ライブにおいても1曲目のスタートであり、アドレナリン噴出。
緊張と緩和。鮮やかな発色。

声質、ヴォーカルは豊かで、これまでの活動で喉の筋肉を鍛えて来た
ことや、引き出しが増えたこと、いろいろな曲にチャレンジして歌って
来たことも経験値となったのでしょう。
元々、自分で作った自分の曲。オリジナルを尊重しながらも、
アレンジ・歌・ギターをリテイクし、時を経た今、どのように鳴り響くか?
という想いがあったのかもしれない。

アルバムでは、谷口喜男さんのレズリースピーカーを通した
キーボード(ハモンド、オルガン?)の音が良く、
ichiroさんの<ギターの音色><揺れ>と被ることなく、いい波長となってます。

2. Dream With You(1992)

工藤さんによる、乾いてハリのあるラテン・フレーバーのドラムで始まる。
次の語り手は、ベースのおがんさん。ichiroさんがインタビューで話していた
「のっし、のっし」とやって来る感じが体感できる。ベースも腰から下!ですね。
チョッパー!と思わず叫びたくなる。今は「スラップ」という呼び方が主流だけど、
「ナイス・チョッパー!」とか「ナイス・スラップ!」とかそんな言い方があったら
迷わずそう言いたくなるようなイントロ。

1曲目の流れから見事なリレー。華やかさを失わず、テンションを
維持したまま2曲目へと繋ぐ。曲の流れは大切。
曲からは、熱を帯びたまま夢の中にいるような、グルグルした感覚を覚える。
ラテンと最初に書いたものの、Blues Funkと言ってもいいかな?
ichiroさん自身によるセルフ・ハーモニー(コーラス・ワーク)は、
心にくいほどに完成度が高く、何度も聴いているうちに、巧みさと技に膝を打った。

3. Come And Love Me(1998)

最初に聴いた時から気に入っていて、特に好きな曲ベスト3に入る。
ichiroさんの歌、ヴォーカルはこの曲が個人的ベスト・テイク。
ラストのcome and love me some more・・・の
フェード・アウトするところでシビれた女性が多いのではないかと思う。
そして、M-2同様、こちらもコーラス・ワークが冴えており、曲全体の
ハーモニーがウォーム。

ギターはギブソンES-335と、オーバー・ダビングでヤイリのアコギを使用。
ichiroさんは過去のいろいろなレコーディング、作品においても
アコギをリズム、バッキングとして鳴らして構築することが多い。
ジャズ・ロックのテイストもあり、テンポはミディアムで、艶のある
アダルトな雰囲気を醸し出している。
ギター・サウンドは空間系とワウが軸となって、“泡の中にいるような揺れ”
を想起させるところも気に入ってる。

個人的な感想として、Rockamenco在籍時のアルバム“PASION”
M-3「No Satisfied」を引き継いだのかもしれないし、3曲目に
ジャズ・ロックのミディアムなナンバーを、初期のアルバムには入れなかった
けれど、今の響きで取り入れたい意向があったのかも、と想像。

4. Silverado(2011)

おがんさんがラテン系の曲を得意とし、ichiroさんがそれを好んでいた。
おがんさんのベースと工藤さんのドラムで一緒に演奏することを想定して
創ったと言われているインスト・ナンバー。
ライブでも一番人気があり、盛り上がるし、華やかでテンションが高い。
それでいて、なかなかの難易曲なため、呼吸がピッタリ、波長も合い、キマった
時は最高潮を迎える。
聴いてる人、観ている人みんなを、引っ張って連れて行ってくれるほどの
エネルギーを持っている。
インストとはいえ、ichiroさんヴォイスによる♪「Silverado」と歌う部分もあり。

5. Destiny(2011)

はじまりはギターによる空間系をバックに、歌い上げる。
アルバム創作期間に、3.11東日本大震災が起こった。
2011年に書き下ろしたところから想像すると、この曲をこの時期に
入れようという想いがあったのかもしれない。
アルバムでの英語詞はTim Jensen氏によるものが多いのだけど、
「自分の想いは自らの言葉で語る」のは、
ichiroさんによる日本語歌詞。
抽象的な表現でストーリーが描かれ、想いを内包している。

6. The Other Way(2010)

鋭角で切り裂くような鮮烈なギターではじまり、キーボード担当:谷口さん
のオルガン+レズリー・サウンドが絡み合う。
Rockamencoを脱退する時の葛藤や想い、願いが込められている
ソウルフルで胸に迫るバラード。
それだけではない、大きなテーマ:人生においての岐路、選択が謳われて
いるとも思っています。
ichiroさんは「野心」を持って進むというコメントを残している。
声も身体もギターも情感のこもった熱唱・熱演。
ハーモニーからも、その先へと伸びて行く先を示しているようにも感じる。

特筆すべきところは、おがんさんのベース。一音一音丁寧に、寄り添う形で
優しさに満ちている。
おがんさんまたichiroさんと同時期にBluestone co.の
形が終わったことも、もしかしたら影響しているのかもしれません。

7. 6月の詩(1999)

ichiroさんの優しい部分が表れている曲で、日本語歌詞も手掛けている。
元はラブソングだと思うけれど、広く大きな意味でも解釈できるところが
歌と重なって、素晴らしい。
アルバム「My Soul」収録されている「Crazy Sundays」
からの流れ、続き、繋がり、があるようにも思う。

「Circle Scale」は、「My Soul」の2011年Ver.
あるいはセカンド・シーズン的な作品で、20thモデルなのかも。
もう1度原点に、デビュー時期に、初心に、という想い。

願いにも祈りにも聴こえるヴォーカルは、柔らかさが増している。
1曲の中に声のレンジの広さと、ファルセットを取り入れ、歌にも濃淡が
あるところにも、ichiroさんの色を感じられるのではないでしょうか。

過ぎ去りし憂のいくつもの日々は 小さく輝く咲く花に変わる
                      ~“6月の詩”より引用~

8. Cosmic(2008)

My Best 3に入る、大好きな曲。
ichiroさんからのこういう曲を待っていたので、喜びもひとしお。
初めて聴いた時は、脳内“宇宙遊泳”に連れて行かれ、見たことのない
神秘的なところにワープした。空よりも宙を駆け巡ったんだと思う。

5:00のサウンド・スケープ!!

今、現実に戻ったので、ポイントを興奮気味に話すと・・・

ジャズロック、Jazz Blues Rockが複雑に絡み、
しかもバックのリズムがラテンで、アコギのカッティングで「ザクザク刻む」。
何というNiceなアイデア!

冷静になったところで思う。
今まで聴いた日本のギタリストで、「ここまで表現しきった人」が思い浮かばない。

もしかしたら、フュージョンの方々の中には探すといらっしゃるかもしれないけれど、
このミックス感はきっと誰も出してないと思う。
難易度高い「Cosmic」、一度20thのファイナル公演で観たものの、
ライブで再演となった時には、そこに居合わせたい。

9. Good Day(2008)

低音ピアノが鳴り響いて始まる。ニューオリンズの風が吹くよね。
同じ形のイントロが無いことも曲そのものが引き立つ理由の1つ。

以前、ichiroさんが宮原くんとの楽屋で、ユニークな発言をしていました。
メジャーが好きか、それともマイナー好きかという会話。
音楽家同士で話す時に、Keyと、このどちらかを選択すれば嗜好がわかる。
嗜好もだけど、思考も分かるから面白い。
「Good Day」はパーッと晴れやかに上に伸びて行く曲。
ichiroさんの発する「Yeah~~!!」も軽快。
ロールしてる!ギターはもちろんのこと、ベース、ドラムも高速回転。
幾つかキメのところがあって、そこに気づくとかなり気持ちいい曲。

音楽からは、人そのものが出ることでもあり、人生が出る。
突き詰めれば、人生が出るギター、生き方が表れる曲、ステージ。
多くの人の前で、自分を晒すことでもある。
ichiroさんからのメッセージです。
「みんなにとって、来る日も来る日もいい日でありますように。」

10. When It All Comes Down(Cover)

ichiro with Ryu ・・・Ryuさんはichiroさんの
いとこで、ギタリスト。関東公演では客席から、時々ステージでセッション
もしている。
アルバムのラストから数えて2曲目の場所に、カバーを入れる方が多いから、
音楽業界の法則(オキテだったりして・・・)とか、お決まりの場所でも
あるのかな。
B.B. Kingが歌っている映像しか観たことがないけれど、選んだ
理由は?
Ryuさんとよくジャム・セッションしていた曲なのか、この曲を二人で
演奏しようと思ったのか、他に理由があるのかも想像してみましょう。

ドッドッドッドッ・・・と低音とシャッフルが印象に残る曲。

11. Ray's Day (Instrumental)(2011)

My Best3の中の1曲。大好きな理由は番外編にて。
聴くととにかく落ち着く。

Stevie Ray Vaughanに捧げます。
ライブにおいて、ichiroさんがコメントしてから鳴らす。
ichiroさんのメイン・ギターNo.1
この音色は、極上のトーン。
この上ない極み、と書くのは、このトーンに「包み込む力」があるからだ。

ichiroさんがStevie Ray Vaughanの音楽と
出会い、ギターで会話するのに耳を傾ける。

穏やかに一日が終わり、夜が明ける。また次が始まることをギターで謳う。

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Photo by: Tim Jensen
アルバム・ジャケットからはVintage感が漂っていますね。
My Favorite Photoは、Come And Love Me
横顔ショットと、CDケースの盤面裏のモノクロ。
モノクロはアクセサリーと胸の部分を。ここに20年の間での、私の知らなかった
部分が隠れています。謎が多く、かつ大切なところ。
そっと開けることにしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

長い長い文章に、ここまでお付き合いくださって ありがとうございます。
聴き込むほどに、一つ魅力に気づき、イメージが沸き起こり・・・を繰り返して
聴いています。
このシリーズはこれが最終回ですが、次の新しいアルバム「Raw Vintage」
がリリースとなっても「愛おしく思う」のだと思います。
終わりじゃなく、はじまり。

Vibrationを感じながら、また会いましょう。いつでも、どこでも。
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  1. 2012.10.09(火) _01:22:55
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